2014年12月13日土曜日

お母さんの自己主張

お母さんはアルツハイマー型認知症です。
要介護3ですが、現在認定中なので、4に上がる可能性もあります。

実家でお父さんに介護されていた時は自己主張もせず、死んだように生きていたお母さんですが、施設で介護士さん達や他の利用者さんと触れ合うようになり、自我も出てきました。

でも、病気は確実に進んでいて、出来ない事も増えています。
一番辛いんではないかと思っているのが言葉です。
時としてそれなりの話が出来るのですが、殆どは言葉が出てきません。
言葉が出なければ、自分の意思を伝えるのは各段に難しくなります。

そこでお母さんの可愛さが役立ちます。
例えばこの薔薇

「お母さん、どの薔薇にしよう?」

「。。。」(当然答えられない)

「これは?」(濃いピンクの薔薇を見せる。)

「。。。」(ちょっと、不服そうな顔)

「これは?」(真紅の薔薇を見せる)

「。。。」(あからさまに怪訝な顔)

「これは?」(写真の薔薇)

「。。。」(にっこりと優しく微笑む)

絶対にこの薔薇がいいと誰でも分かります。


食べ物でも自分が食べられる物と無理なものが分かっています。
海老や蟹が好きなお母さん、今日のお鍋に蟹を買おうかと聞くと顔をしかめました。
「身だけ取ってあげるよ。」
「。。。」(首をかしげて、目を伏せる。多分、食べれなと言いたい。)
でも、練り物のコーナーで海老のお団子を見付けると大喜び、ニコニコしながら取り上げました。
かまぼこなんかは食べやすい事が分かっているのです。
で、大きく海老と書いてかる。
(これは食べれるから買わさなきゃ)って感じですかね。

おばあちゃんですが、可愛く注目してもらえる事を逆手に取ってか、お母さんはしっかり自己主張しています。
施設でもその立場を上手く利用しているようです。

それでも、言葉が出ないのは辛いだろうなぁと思います。

今夜は海老団子のお鍋です。



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