2015年3月19日木曜日

ホイリゲはウィーンだけ?

ウィーン風居酒屋とかワイン酒場とか言われる事の多いホイリゲ、ウィーンにしかないと思っている人が多いようです。
ウィーンのホイリゲ
これはヨーゼフ2世のホイリゲ令(1784年)の影響が大きいみたいですね。
内容はこんな感じです。

ウィーン郊外の一定の畑で取れた葡萄を使い、その葡萄からできた新酒のみを、自らの農家の軒先で飲ませたり販売してもよい。

この内容がホイリゲの始まりと思い込んでいる人(特に日本人)が多いみたいなのです。

これはあくまで首都ウィーンの葡萄農家に向けて出された物で、それ以外の地方は「そんなの関係ない」って感じで、それよりずっと前から続けていたホイリゲをその後も普通に続けてきただけです。

じゃぁ、何故ヨーゼフ2世はこんな事を言い出したのか?

首都に住むって厳しいのです。
現在なら首都とそれ以外なんてそう変わらないのですが、パプスブルグ帝国時代の首都に住むって半端ない特権ですからね。その首都で葡萄を作っても仲介業者に低価格でしっかり買い抑えられてしまいます。それでは農民の不満が溜まる一方、というか溜まっちゃったので抜くしかなかったようです。
ホイリゲへ行くということは首都に住む人達の行楽の一つにもなったらしいので、農民だけでなくその他の住民の不満解消にも役立ったようです。
郊外のホイリゲ
その当時からウィーン市外には多くのホイリゲが存在していたようで、特にウィーン南部に隣接するワイン産地テルメンレギオン(Thermenregion)では地元民よりウィーンからの行楽客目当てのホイリゲが多くありました。
テルメンレギオンというのは直訳すると「温泉地方」てな感じの地域で、バーデン(Baden bei Wien)に代表されるヨーロッパ・スタイルの温泉リゾートや湯治場が古くから点在していました。そこにやってくるウィーンからの客相手に自家製ワインを飲ませるというのは、繁盛できる商売だったようです。
テルメンレギオンにはウィーン市内を凌ぐ大きなホイリゲ街がいくつかあります。

ウィーン市内のホイリゲ街もいいですが、テルメンレギオン辺りのホイリゲも味わいがあります。
一番有名なホイリゲ村グンポルスキルヒェン(Gumpoldskirchen)はウィーンから列車で30分程度です。ウィーン中心部から1時間ぐらいかかる市内のホイリゲ街へ行くよりも便利かもしれません。

オーストリアへ行かれたら、ウィーン以外のホイリゲも尋ねてくださいね。
ホイリゲ村や町はホイリゲへ行こう!でも紹介していますが、お問い合わせいただけば詳しい案内をさせていただきます。
Kino_Sanにご連絡ください。




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